水田美術館は、10月8日(土)に浮世絵講座「美人画に恋して-ものがたる浮世絵-」を水田 三喜男記念館講堂を会場に開催しました。
9月から始まった浮世絵講座は、長期休館中の美術館主催イベントで、浮世絵の主要テーマ5つ について各専門家の先生をお招きしてお話頂くものです。10月8日は第三回目「美人画」をテーマに 藤澤紫先生(國學院大學教授、国際浮世絵学会常任理事)にご講演頂きました。
前半は、藤澤先生が美人画に恋をしたきっかけから始まり、その後、浮世絵美人画の魅力について、①近世?近代における美人画の意味や呼称、②浮世絵美人画の系譜(錦絵期以降)、③小袖雛形本との関わり、④『都風俗化粧伝』(文化10〈1813〉年刊、大正12〈1923〉年までの約110年の間増刷されたロングセラー本)にみる美人、⑤春信の美人画作品から物語を考えるミニ遊び、という5つの項目からお話頂き、鈴木春信、喜多川歌麿、歌川広重の美人画の代表的な名手もご紹介下さいました。
後半では、当館コレクションを含む国内外にある浮世絵美人画の名品を豊富な図版とともにスライドショーで示して頂き、各作品を丁寧に読み解かれていきました。
藤澤先生の浮世絵美人画への熱い思いが終始伝わってくるお話に、会場およびオンライン参加者も熱心に耳を傾け、質疑応答では多くの質問が出るなど活気のある講座となりました。また、講座終了後には、ミニワークショップ「美人画で小物入れをつくろう」も楽しんで頂きました。
藤澤 紫氏(國學院大學教授、国際浮世絵学会常任理事)