人間は長い歴史の中で動物たちとさまざまな形で関わってきました。その関係は、癒しの対象であったり、仕事のパートナーであったり、さらには、食材や道具の材料として利用したりとさまざまです。そしてそのありかたは時代によって変化し、それと共に姿や大きさが変化する動物もいました。
さて、城西大学水田美術館には浮世絵をはじめとする多くの江戸時代に関係する絵画を所蔵しております。そのなかには、その時代の人と動物との関係性や動物の姿が活き活きと描かれています。また、遺跡からはその動物たちそのものが出土しており、当時の彼らの姿や人々による利用方法を直接知ることのできる貴重な資料となっています。本展示では、江戸時代における動物と人間との関係性や当時の動物たちの姿を絵画と考古資料から見ていきます。それらの資料をもとに、考古学?歴史学の研究成果から江戸時代の人々が生活のなかで動物とどのように関わってきたか(利用してきたか)解説していきます。
今回の展示では、その関わり合いのなかから、特に「食」「道具の材料」「愛玩」に焦点を当てた展示となっています。江戸時代の動物たちの生活ぶりもさることながら、人々はどのように動物たちと関わってきたのか、現在と共通する点と異なる点を探しながら展示を楽しんでみてください。
阿部常樹(城西大学経営学部非常勤講師)