この度の展覧会では、本年水田家より寄贈された鏑木清方、上村松園、伊藤深水といった近代を代表する画家の美人画3点を中心に、近代美人画をテーマにした展示を行います。最後の浮世絵師月岡芳年《風俗三十二相》からはじまり、浮世絵の風情を確かに継承した清方、松園、深水のほか、北野恒富や山川秀峰の美人画もご紹介し、画家それぞれが目指した女性美の表現をご覧いただきます。
また、特別出品として新収蔵品の中から前田青邨、菱田春草の作品も展示いたします。そのほか、近代日本画の大家横山大観と並び称される下村観山の作品や、橋本雅邦、松本楓湖ら明治大正期に活躍した画家たちによる《諸名家画帖》(当館初公開)、近代画家82名が赤穂事件を描いた木版画集《義士大観》も合わせてご紹介します。
豊かな広がりを見せた近代日本画の一端をご覧いただき、コレクションの一味違った側面をお楽しみ頂ければ幸いです。