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公開講座


城西大学および城西短期大学では教育研究の成果を広く地域に開放し、高度化、多様化する地域住民の学習意欲と地域社会のニーズに応えるために公開講座を開講しています。
2024年度は「現代社会を健康で豊かに過ごそう」のテーマで4講座を開催します。

第1回「ミドリムシが健康をサポート!?
~ミドリムシが創る不思議な粒子「パラミロン」とは?~」を開催しました

 2024年9月4日(水)に第1回目「ミドリムシが健康をサポート!? 
~ミドリムシが創る不思議な粒子「パラミロン」とは?~」を開催しました。
公開講座の開講式にあたり、倉成正和副学長より開講の挨拶がありました。

 今回の講座を担当するのは、城西大学薬学部医療栄養学科の五十嵐庸准教授。ココロとカラダの疲労感軽減の食品素材「金色のユーグレナ?(パラミロン)」の摂取が城西大学男子駅伝部選手のパフォーマンスアップにつながるリカバリー、コンディション維持に有用であることを城西大学薬学部医療栄養学科の研究で確認しました。その内容について説明いたしました。

 睡眠の質の向上や疲労感の軽減、次のトレーニングへの意欲を感じる選手が多く、質の高いリカバリー、コンディショニング維持につながっていることが明らかにされたことを話しました。

 ミドリムシは体長約0.1mmの緑色をした細長い単細胞生物で、鞭のような毛を使って活発に運動します。また、その付け根あたりに小さな赤い眼が1つあり、口もあります。こうした特長から「動物」に分類されますが、体内に葉緑素をもっていて光合成を行い、つくり出した栄養分を体内にためることができます。このため、植物の一種である藻の仲間に分類されることもあります。この、動物と植物の両方の特長をもつ不思議な生物であるミドリムシが今、さまざまな素材として脚光を浴びています。その中でも、ミドリムシだけが創ることができる「パラミロン」に注目しました。
 パラミロンとは「ミドリムシ」の独自成分で食物繊維の一種とのこと。
(※ミドリムシ(和名)はユーグレナといい植物性栄養素と動物性栄養素の両方を含む59種類の栄養素をもっていて、ユーグレナ配合のドリンクやヨーグルトなど今ではコンビニなどで手に取ることのできる食料や化粧品に入っていたり、次世代燃料にもなっていたりします。

 今回の講座で「いいことだらけのユーグレナ。この活用が人間の体に、社会、エネルギー、環境、栄養問題に早く活用されるといいですね。」「興味深い内容で、初めて知ることも多く、充実した講座でした。資料も楽しく、動画、イラスト、図表、グラフ等で見せていただいたので、難しい内容でしたが、わかりやすかったです。ありがとうございました。」という感想もありました。

第2回「最近の消費者被害について」を開催しました

 2024年9月10日(火)に第2回目「最近の消費者被害について」を開催しました。

 今回の講座を担当するのは、城西大学経済学部経済学科川辺英一郎教授。
 消費者トラブルの現状を商品?サービス別、若者、高齢者別に説明しました。
 人間は様々な心理バイアス(考え方のくせ)を持ち、そこを利用した販売方法が考案されてきた。近年、デジタル技術の進展により、事業者の都合のよい方向に消費者を誘導する仕組みが開発されている(ダーク?コマーシャル?パターン)。例としては「都合のよい選択肢を目立たせる」「あと何分のカウントダウン」「登録は簡単だが、解約は手間がかかる」「最終段階で新しい料金?条件が発生」など。さらに、AIを使って個人の嗜好?行動を分析し、「おすすめ」を提案することで事業者の有利な方向に誘導することも可能になってきている。現在、必ずしも違法ではないが、世界的に対応が検討されているとのこと。

 また、最近の消費者被害の事例について説明しました。
①屋根工事、②給湯器、③訪問購入、④パソコンの警告、⑤SNSをきっかけとした投資、⑥定期購入、⑦棺内のドライアイスなどの相談事例を取り上げた。パソコンでインターネットを利用中に突然、大音量の警告音が鳴り「ウイルスに感染した可能性がある」と警告画面が表示される事例も説明されました。大手有名会社を名乗る電話番号の表示があったので電話をしたところ、外国人らしき人が出て、遠隔操作ソフトをインストールするよう指示され、パソコン内を遠隔操作で見てもらった。相手から「最近、銀行の取引をしたか」と聞かれたので、「インターネットバンキングを利用した」と告げると、ログインするよう指示された。パソコンの修理代として100円を請求されたので、インターネットバンキングの画面で送金額を100円と入力したはずが、遠隔操作によって「0(ゼロ)」を追加され、100万円に変更され送金されてしまった。
消費者被害を受けた場合は「消費生活センター」に相談するとよいとのこと。

 聴講生のご意見では「トラブル時の対処法?方法等、よく分かりました。また契約の際は説明文を面倒がらずによく読んで理解して結ぼうと思いました。とてもためになりました。ありがとうございました。」「消費者被害の事例等は実際に電話や訪問を受けたこともあり、身近に起きている事で、今日の講義ではっきりさぎであるとわかりました。ますます気をつけたいと思います。とても勉強になりました。ありがとうございます。」との感想が寄せられました。

第3回「シニア世代の年金?税金」を開催しました

 2024年9月17日(火)に第3回目「シニア世代の年金?税金」を開催しました。

 今回の講座を担当するのは、城西大学現代政策学部社会経済システム学科の青柳龍司教授。公的年金制度の2階構造の一般的な説明。繰上げ?繰下げ受給のメリット?デメリットについて説明され、2023年「65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支」と「65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支」の比較についてふれました。
 また60~64歳の就業率の増加や、65歳以上の高齢者の就業率の男性と女性の比較をふまえて、高齢者の就業率の割合が年々増加の傾向にあるとのこと。

 また「マクロ経済スライド」の強化について、現役世代の人口減少や寿命の伸びを考えて、年金受給額を抑える仕組みを説明いたしました。
 年金の財政検証については、厚生年金の適用範囲の拡大(2016年~)、月額賃金88,000円(年収106万円)以上、週20時間以上、勤務期間2カ月以上、従業員数101人以上(10月から51人以上)、来年度2025年の年金制度改正?企業規模の撤廃(の予測)へとのこと。
 更に加給年金の廃止?遺族厚生年金の男女格差是正、基礎年金と厚生年金のマクロ経済スライド調整期間の一致について説明され、基礎年金の保険料納付期間を45年に延長案については見送りとのことでした。
 後半は住民税 「ふるさと納税」についてふれ、受講者の皆さんも熱心にお話を聴いていました。

 聴講されていた方のご意見を紹介しますと、「世の現状を再認識することができてよかった。今後の見とおしもお聞きすることができて、有意義でした。」「年金に関する事は複雑で制度も変わる事もあるので、色々情報を得て、自分に合ったプランを考える為の資料として参考になりました。」「改めて年金、税金(ふるさと納税)について、現状の図表やグラフ等を見ながらわかりやすく勉強することができました。ありがとうございました。」とのご意見をいただきました。

第4回「医療?健康?介護のデータとその利用」を開催しました


 城西大学および城西短期大学では教育研究の成果を広く地域に開放し、高度化、多様化する地域住民の学習意欲と地域社会のニーズに応えるために公開講座を開講しています。
 2024年度は「現代社会を健康で豊かに過ごそう」のテーマで4講座を開催しました。

 2024年9月25日(水)は第4回目「医療?健康?介護のデータとその利用」を開催しました。

 今回の講座を担当するのは、城西大学理学部数学科の横田治夫特任教授。2025年4月に城西大学紀尾井町キャンパスに新設する理学部情報数理学科の準備中で、情報数理の面から医療?健康?介護に関係するデータをどのように利用するかについての話でした。
 社会の情報化が進むことで様々な所で蓄積されるデータ量も増えており、保存された大量データに基づく解析結果が多くの場面で役立っています。「これを買われた方はこちらも買われています」といった推薦も、そのような解析結果利用の一例です。
 病院においても、カルテをはじめ治療に関連する多様な対象の電子化が進み、医療の効率化に役立っています。それとともに、保存された大量の電子カルテを解析して情報処理による医療支援につなげる試みも行われています。さらに、血圧、体重等の自宅や介護施設で計測される日々のデータも解析の対象となり、個人情報やプライバシー保護を考慮した情報数理による医療?健康?介護分野への貢献が期待されています。

 今回ご参加いただいた受講生の感想を一部紹介しますと「大変有意義な講座でした。数学的な説明はわかりやすく自分も家族にも伝えやすい説明でした。ありがとうございました。この様な情報を参考に自分が受けたい医療や介護を受ける事に抵抗なく、平等に受けられる社会になればいいなぁーと思いました。」「お世話になりました。情報化社会と言われますが、一人ひとりの行動がデータとして集められ分析され、色々な場面で使われていることに驚きました。明るい未来幸せのために活用されることを願います。情報工学という分野について少し知ることができました。ありがとうございました。」という感想がありました。

 閉講式では、倉成正和副学長より閉講の挨拶がありました。
 今年度は225名申込みがあり、112名が全4回を皆勤。その内の代表者が倉成副学長より修了証書を受領し、皆勤者には後日郵送することになりました。

 次年度も開講予定です。今回ご参加いただいた方は是非とも、そして、興味がある方もご参加をお待ちしております。

城西大学?城西短期大学 地域連携センター事務室

〒350-0295 埼玉県坂戸市けやき台1-1
MAIL:j-clic@stf.josai.ac.jp
TEL:049-271-7713
FAX:049-271-8098